『幸』の文字を持つ作家さん5人による、“幸せ”をテーマにした書き下ろし小説集。
装丁がスッキリしているのも好き。
純粋に“幸せ”のイメージに近い感覚を持った小説は、伊坂幸太郎さんの「Weather」
こんな男と一緒になっていいの? と思わせといて、最後にほろりとさせられる。ハッピーエンドな結末に、じんわりと暖かい気持ちになった。
山本幸久さんの「天使」
掏摸師の話で、老人のお節介がなんとも粋で、その老人に関わった子供達の幸せを願わずにはいられない結末だった。
中山智幸さんの「ふりだしにすすむ」と真梨幸子さんの「ハッピーエンドの掟」は、幸せとは何だろうかと、考えさせられる小説だったのかな?
ふりだしにすすむの方は、私にはちょっと理解しにくかった……。再読してみようと思う。
小路幸也さんの「幸せな死神」
これ読むと死神のイメージがガラリと変わるかも知れない! 死神の切なさが伝わる、これもちょっと感動するお話。
1冊の中に5つの幸せの形が描かれているわけですが、作品の順番も個人的には気に入っている。後味がいいし、短編集なので、とても読みやすい1冊だった。

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